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- | ① 脳アミロイド血管症は認知症発症と関連がある</ | + | <color #e7e7eb>① 脳アミロイド血管症は認知症発症と関連がある</ |
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+ | 脳アミロイド血管症は Alzheimer 型認知症にほぼ必発する血管病理変化であるが、脳葉出血の直接原因になる以外には症候を呈することが稀と考えられ、あまり注目されてこなかった。しかし、皮質小梗塞や皮質微小出血など様々な脳血管障害に関連することが、画像解析や病理学的解析から明らかとなっている。さらに、脳卒中のみで無く、認知症の独立した因子となるという報告もある。システマティックレビューでは、4つの住民コホート研究、すなわち Cambride City over-75s Cohort(CC75C) 研究、MRC CFAS 研究、ホノルルアジア老化研究、Vantaa 85+ 研究で得られた結果を解析したところ、認知症患者の 55〜59% に CAA が観察された一方で、非認知症患者では 28〜38% にとどまった。また、重度の CAA は、認知症患者の 37〜43% に観察された一方で、非認知症患者の 7〜24% にのみ観察され、両群には明確な差異を認めた | ||
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+ | 多施設ランダム化試験に於いて、脳血管障害患者 6,105 例に対して、平均 3.9 年間の降圧剤とプラセボ投与によるイベントを比較したところ、CAA に関連する脳出血を 16 例に認め、降圧剤投与群でプラセボ群に比べて脳出血が 77% 減少した(降圧治療群 3 例、プラセボ群 13 例)。CAA の有効な治療法は知られていないが、高血圧を伴えば、脳出血予防のための降圧療法を行うように勧められる | ||
+ | また、CAA 症例において、血管壁 Aβ に対する自己免責反応を介した急性炎症反応を併発し、急性の意識障害、認知機能の悪化を伴うことがあり、CAA 関連炎症 CAA-related inflammation(CAA-ri)と称される。CAA-ri の病態機序から推察されるように、副腎皮質ステロイドやシクロホスファミドなどの免疫抑制薬の投与が急性期に有効とされる | ||
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