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dementia:14-2 [2025/04/28] – nonbe | dementia:14-2 [2025/05/05] (現在) – nonbe | ||
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+ | VaD は脳血管障害が原因となる認知症であり、その病態には異質なものを含んでいる。Hachinski の虚血スコア、およびその修正版は VaD の診断に広く用いられているが、本来は Alzheimer 型認知症との鑑別を目的とするものであり、厳密な意味での診断基準ではない | ||
+ | 研究用に作成された NINDS-AIREN 診断基準では下記の臨床亜型が示されている(図1) | ||
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+ | ① 多発梗塞性認知症(MID) | ||
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+ | ② 戦略的な部位の単一病変による認知症 strategic singla infarct dementia | ||
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+ | ③ 小血管病性認知症 small vessel disease with dementia | ||
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+ | ④ 低灌流性血管性認知症 | ||
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+ | ⑤ 出血性血管性認知症 | ||
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+ | ⑥ その他 | ||
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+ | 小血管病性認知症では、穿通枝領域にラクナ梗塞や白質病変、脳出血、microbleeds などの細動脈硬化症を認め、皮質領域では脳アミロイド血管症がみられることがある。小血管病性認知症のうち、細動脈硬化症が原因となっている認知症を発症する場合を皮質下血管性認知症と呼んでいる。一般的では無いが、Erkinjuntti らは皮質下血管性認知症に限定した診断基準も作成している。皮質下血管性認知症のうちで、特にラクナ梗塞主体のものは多発ラクナ梗塞性認知症、白質病変が主体となるものは Binswnger 病である。 | ||
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+ | MID は、主に皮質領域の大小の脳梗塞が原因となる。脳梗塞の容積と認知症発現との間に相関があり、50mL を超えると認知症の頻度が著しく増加する。経過は急性発症または段階上悪化を示し、障害される大脳の局在部位に応じて失語、失行、失認、視空間障害、構成障害や遂行機能障害、運動麻痺を伴う。strategic single infarct dementia は高次機能に重要な部位の脳梗塞で生じ、記憶障害、意欲低下、無為、せん妄、認知症を呈する。皮質領域では優位側の角回、前大脳動脈領域、中大脳動脈領域、後大脳動脈領域が、皮質下領域では視床、前脳基底部などの梗塞が該当する | ||
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+ | 低灌流性血管性認知症は全脳の循環不全や低酸素が原因となる。脳出血性血管性認知症は、脳出血とくも膜下出血が原因となっている。その他、遺伝性血管性認知症として、cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephathy(CADASIL)、celebral autosomal recessive arteriopathy with subcortical nfarcts and leukoencephalopaty(CARASIL)、遺伝性脳アミロイド血管症、mithochondria encephalomyopathy, | ||
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