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| dementia:16-2 [2025/11/17] – 作成 nonbe | dementia:16-2 [2025/11/17] (現在) – nonbe | ||
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| + | 甲状腺機能低下症は、甲状腺自体に機能不全のある原発性と、上位内分泌臓器の下垂体や視床下部に異常のある中枢性に大別される。原発性は血中 TSH が上昇していることが多く、中枢性では血中 TSH と甲状腺ホルモンが共に低下していることが多い。橋本病(慢性甲状腺炎)は、甲状腺機能低下症の原因として最も頻度が高く、びまん性甲状腺腫大があることと検査所見の 1つ以上(抗甲状腺マイクロゾーム(または TPO)抗体陽性、抗マイクログロブリン抗体陽性、細胞診でのリンパ球浸潤)を揺する場合に診断される | ||
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| + | 顕性甲状腺機能低下症では、認知機能は広範に障害され、一般知能、注意・集中力、記憶、知覚機能、言語、遂行機能の障害を認めるが、特に記憶障害、言語記憶が一貫して報告されている。また、顕性甲状腺機能低下症と抑うつ症状の関連が存在すると結論付けている研究が多い | ||
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| + | 潜在性甲状腺機能低下症では、一般に抑うつ症状や不安、広範ないし重篤な認知機能障害は起こらないとされているが、その見解は確立されていない | ||
| + | 橋本脳症では、認知機能障害、喚語困難、てんかん発作、行動障害、ミオクローヌス、歩行失調、失語、振戦、反射亢進、運動機能障害、精神病症状、抑うつ症状、混乱、睡眠障害などを認めると報告されている。特に抗 NAE(α-エノラーゼ N 末端)抗体陽性の場合、急性脳症型を呈することが多く、意識障害の頻度が高く種々の精神症状や認知機能障害がよく認められる症状である。それに対し慢性の経過を取る症例では、抑うつ症状や不安、小脳失調などを認めることが多いとされる。甲状腺自己抗体としては、抗甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)後退や抗サイログロブリン(Tg)抗体など様々な組み合わせで有するといわれ、甲状腺機能は大部分(72%)で正常と報告されている | ||
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