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- | DLB には、認知機能障害、幻覚、妄想、うつ状態、アパシー、レム期睡眠行動異常をはじめとする認知症の行動・心理症状 behavioral and psychological syumptoms of dementia(BPSD)、錐体外路症状、自律神経症状が認められる。症状はさまざまであるため、患者ごとに治療の主要な標的とすべき臨床症状を見定め、治療方針を立てる | + | DLB は抗精神病薬の過敏性が認められる場合があり、BPSD の治療としては、非薬物的対応が優先して行われる。また DLB の認知機能障害に対する治療薬であるドネペジルは、BPSD に対しても効果が見られる場合があるため、その評価も有効である。ドネペジル 5mg、10mg 内服により 12週間目における幻覚と認知の変動を評価した Newropychiatric Inventory(NPI)-2 や幻覚、妄想、アパシー、うつを評価した NPI-4 に効果が見られた。ただしその後、DLB 患者に対する第Ⅲ相試験では |
- | {{ : | + | これらの対応で効果が得られない場合、BPSD に対する対症治療薬が用いられる。抑肝散については、DLB 患者 63人を対象とした 4週間の多施設共同オープン試験の結果から NPI 総得点、幻覚、妄想、うつ、不安症状に対する改善効果が示されている。抑肝散は錐体外路症状や抗コリン症状は認められないが、ときに低カリウム血症が発現することがあるので注意する。また、DLB の妄想、幻覚、夜間行動異常、食欲異常などの BPSD に対しては、メマンチンの効果を示す報告がある。一方、DLB の BPSD に対しては向精神薬が使用されることがある。社会保険診療報酬支払基金が設置している審査情報提供委員会から、「原則として器質的疾患に伴う、せん妄・精神運動興奮状態・易怒性に対してクエチアピン、ハロペリドール、ペロスピン、リスペリドンを処方した場合、当該使用事例を審査上認める」という「医薬品の適用外使用に係わる保険診療上の取扱い」が出されている。ただし上述したように DLB は 抗精神病薬に対する過敏性が見られる場合があり、注意が必要である。またハロペリドールは Parkinson 病に対して使用禁忌であり、DLB に対しても原則使用を控えるべきである |
- | DLB に対する治療は、非薬物療法と薬物療法に大別される。DLB は薬物療法で有害事象が現れやすいため、非薬物療法が特に重要である。非薬物療法はケアや環境整備などからなる。認知機能障害に対してドネベジルが用いられるようになったが、BPSD、運動障害、自律神経障害に対しては対症的治療薬による薬物療法と同時化、あるいは薬物療法に先行して実施されるべきである。第 3 回国際 | + | 非定型抗精神病薬のなかでは、錐体外路形の副作用が軽いクエチアピンやアリピプラゾールが比較的安全とされるが、エビデンスに乏しい。クエチアピンについてはケースシリーズで効果が報告されている。クエチアピン 25〜75mg/ |
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+ | リスペリドンについては 9例の精神病症状を呈した PDD の入院患者に対する効果が報告されている。リスペリドン(退院時平均投与量 1.9 ± 0.65mg/ | ||
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+ | またオランザピンについては Alzheimer 型認知症の精神症状に対する二重盲検比較試験における。29例の DLB に対するサブ解析結果が報告されている。オランザピン 5mg/日 による DLB の精神病症状の改善が認めら得ている。一方 8例の DLB に対するオランザピン 2.5〜7.5mg/ | ||
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+ | RBD の治療としてはクロナゼパムの効果が報告されている。RBD 患者のケースシリーズではクロナゼパム 0.25〜1.5mg/ | ||
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