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dementia:dlb-bpsd [2024/07/29] nonbedementia:dlb-bpsd [2024/08/05] (現在) nonbe
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 <color #a22041>{{fa>fas fa-question?24}} Lewy 小体型認知症 dementia with Lew bodies(DLB)の行動・心理症状 behavioral and psyochological syomptoms of demantia(BPSD)、レム期睡眠行動異常症 REM sleep behavior disorder(RBD) に対する治療はあるか</color> <color #a22041>{{fa>fas fa-question?24}} Lewy 小体型認知症 dementia with Lew bodies(DLB)の行動・心理症状 behavioral and psyochological syomptoms of demantia(BPSD)、レム期睡眠行動異常症 REM sleep behavior disorder(RBD) に対する治療はあるか</color>
  
-<color #223a70>{{fa>far fa-clipboard?24}} </color>+<color #223a70>{{fa>far fa-clipboard?24}} ① BPSD に対する治療薬としては、抑肝散や非定型抗精神病薬の報告があるが、安定性に対する十分な配慮が必要である。② RBD に対しては、クロナゼパムの効果が報告されている。クロナゼパムが使用困難で抑肝散、ラメルテオン、ドネペジルが有効だった症例報告がある</color>
  
 <color #c53d43>{{fa>fas fa-check?24}} 2C </color>  <color #c53d43>{{fa>fas fa-check?24}} 2C </color> 
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-DLB は、認知機能障害、幻覚、妄想、うつ状態、アパシー、レム期睡眠行動異常はじめとする認知症の行動・心理症状 behavioral and psychological syumptoms of dementia(BPSD)、錐体外路症状、自律神経症状認められ症状はさまざまであるため患者ごと治療主要な標的とすべき臨床症状を見定、治療方針を立てる+DLB は抗精神病薬の過敏性が認められる場合がありBPSD の治療としては、非薬物的対応が優先して行われる。また DLB の認知機能障害に対する治療薬であるドネペジルはBPSD に対しても効果が見られる場合があるため、その評価も有効である。ドネペジル 5mg、10mg 内服により 12週間目における幻覚と認知の変動を評価した Newropychiatric Inventory(NPI)-2 や幻覚、妄想、アパシー、うつ評価した NPI-4 に効果が見られた。ただしその後、DLB 患者に対する第Ⅲ相試験では BPSD に優位な効果られていない。また適応外あるリバスチグミンついては海外ランダム化比較試験 randomized controlled trial(RCT)により NPI-4 スコアに改善が認られ
  
-{{ :dementia:7-5.png?600 |}}+これらの対応で効果が得られない場合、BPSD に対する対症治療薬が用いられる。抑肝散については、DLB 患者 63人を対象とした 4週間の多施設共同オープン試験の結果から NPI 総得点、幻覚、妄想、うつ、不安症状に対する改善効果が示されている。抑肝散は錐体外路症状や抗コリン症状は認められないが、ときに低カリウム血症が発現することがあるので注意する。また、DLB の妄想、幻覚、夜間行動異常、食欲異常などの BPSD に対しては、メマンチンの効果を示す報告がある。一方、DLB の BPSD に対しては向精神薬が使用されることがある。社会保険診療報酬支払基金が設置している審査情報提供委員会から、「原則として器質的疾患に伴う、せん妄・精神運動興奮状態・易怒性に対してクエチアピン、ハロペリドール、ペロスピン、リスペリドンを処方した場合、当該使用事例を審査上認める」という「医薬品の適用外使用に係わる保険診療上の取扱い」が出されている。ただし上述したように DLB は 抗精神病薬に対する過敏性が見られる場合があり、注意が必要である。またハロペリドールは Parkinson 病に対して使用禁忌であり、DLB に対しても原則使用を控えるべきである
  
-DLB に対する治療は、非薬物療法薬物療法に大別される。DLB は薬物療法有害事象れやすいため、非薬物療法に重ある。非薬物療法ケア環境整備などからなる。認知機能障害に対てドネベジルが用いれるよなったが、BPSD、運動障害、自律神経障害に対しては対症的治療薬に薬物療法と同時化るいは薬物療法先行して実施されるべきる。第 3 回国際 DLB ワークショップ(2003)おけマネジメンいての討議を参照され+定型抗精神病のなかでは、錐体外路形の副作用が軽いクエチアピンやアリピプラゾールが比較的安全とされるが、エビデンスに乏しいクエチアピンについてケースシリーズで効果が報告されている。クエチアピン 25〜75mg/日 の 8週間投薬で、DLB 9例のうち 5例の興奮、幻覚、妄想に改善見らた。ただし 3例は眠気起立性低血圧のため中止となった。また DLB 23例PDD 9例、パーキンソニズム見られる Alzheimer 型認知症 8例を対象した、クエチアピン 25〜150mg(平均投与量 120mg)/日を用いた 10週間のプラセボ対照二盲検比較試験では精神病症状興奮に対する効果が否定されている 
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 +リスペリドンについては 9例の精神病症状を呈した PDD の入院患者に対する効果が報告されている。リスペリドン(退院時平均投与量 1.9 ± 0.65mg/日)により精神病症状や焦燥の改善をめた。しかし 31例の DLB に対するリスペリドンと citalopram を用いた 12週の二重盲検比較試験におい、リスペリン群は Mini Mental State Examination(MMSE)と精神病症状悪化し、65% が副作のために中止された 
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 +またオランザピンにつては Alzheimer 型認知症の精神症状に対する二重盲検比較試験における。29例の DLB に対するサブ解析結果が報告さてい。オランザピン 5mg/日 にる DLB の精神病症状の改善が認めら得ている。一方 8例の DLB 対するオランザピン 2.5〜7.5mg/日 の試験では、2例に BPSD の改善を認めたが、3例はオランザピン 2.5mg/日 で副作用のため中止となった。このように DLB の BPSD に対する非定型抗精神病の効果関す報告は見られるものの副作用によ中止も少なくなため、投与する場合必要最小限とどめ、有害事象の発現に常に留意することが求められる 
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 +RBD の治療としてはクロナゼパムの効果が報告されてい。RBD 患者のケースシリーズはクロナゼパム 0.25〜1.5mg/日 が眠前投与され、有効性が示されている。ただし DLB に対しては過鎮静や転倒に注意が必要であ。クロナゼパムが副作用などで使用困難な例で、抑肝散、ラルテオ、ドネペジルで効果が見られた症例の報告がある。また DLB の不眠対するエビデンスも乏し。DLB に対しは睡眠薬使用によるふらつき、転倒、持ち越し効果に注意が必要である。DLB 不眠にラメルテオンが奏功した 2例の報告がある。抑肝散も睡眠時間、睡眠効率、覚醒回数の減少などの効果の報告がある 
  
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