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dementia:dysphagia [2023/02/27] – nonbe | dementia:dysphagia [2023/03/13] (現在) – nonbe | ||
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- | ===== 3C-3 嚥下障害の対応 | + | ===== 3C-3 嚥下障害の対応 |
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+ | 進行期の認知症に経皮内視鏡的胃瘻造設術 percutaneous endoscopic gastrostomy(PEB)が誤嚥性肺炎の予防や、日常生活動作 activities of daily living(ADL)および生命予後の改善に有用であるというデータはない。</ | ||
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+ | 前頭側頭窯変性症や Alzheimer 型認知症では辺縁系や前頭葉の機能低下のため、過食などの食行動の以上が起こり、特に前者で顕著である。血管性認知症やパーキンソニズムをきたす認知症性疾患では嚥下反射が低下し、夜間の不顕性誤嚥による誤嚥性肺炎が多い。一方、Alzheimer 型認知症では嚥下反射は後期まで保たれ、寝たきり状態でも嚥下反射が保たれる例が多い。 | ||
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+ | 誤嚥性肺炎予防のため、ドパミン-サブスタンス P 系の賦活が重要である。そのため、口腔の知覚刺激のための口腔ケアによってサブスタンス P を増加させ、咳反射の感受性を高めて嚥下反射を改善させる。サブスタンス P の分解を抑制する ACE 阻害薬の投与も有用である。このほか、誤嚥性肺炎の予防にシロスタゾール、ドパミン放出作用のあるアマンタジンが有効と報告されている。さらに、リバスチグミンや半夏朴湯やが嚥下機能を改善したとの報告がある。反対に、コリン系、ドパミン系は嚥下機能の維持に作用しており、抗コリン作用やドパミン系抑制作用のある薬剤は誤嚥性肺炎のリスクを増す。 | ||
+ | 食事における自立度低下に関する因子として、食事開始の困難、嚥下障害、重度認知症がある。また、歩行能力や ADL の低下、認知障害がある患者は嚥下能力が低く、誤嚥性肺炎発症のリスクがより高いことが報告されている。認知症患者の嚥下障害と自律神経機能に関するシステマティックレビューでは、多くの報告で嚥下障害と自律神経機能異常が認められたが、両者の関連に検討した報告は存在しない。嚥下機能テスト、嚥下姿勢、食形態の調整、生活機能訓練、投薬による嚥下障害が行われているが、それらのエピデンスは不十分である。進行期の認知症では PEG のによる生存期間、生活の質 quality of life(QOL)の改善、誤嚥性肺炎の予防効果は見られなかった。嚥下機能障害のある認知症患者における PEG の効果を検討したシステマティックレビューdふぇは、生存期間の延長効果を認めていない。PEG の予後不良の予測因子としては性別、低アルブミン血症、高齢、心不全、胃亜全摘後などがある。 | ||
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