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 2. SD の診断基準と失語の特徴 2. SD の診断基準と失語の特徴
  
-Gorno-Tempini らによる基準では、まず進行性失語である事を診断し、次に失語の頭頂から意味型、非流暢性/失文法型、ロゴペニック型のサブタイプに分類する(失語症から見た分類は CQ2-6 を参照)。SD は意味型の失語を呈する。しかし、右側頭葉優位の萎縮を呈する SD では、初期には語義失語以外の意味障害(後述の有名構造物や相貌に関する意味記憶障害)が目立つ例や、行動障害が目立つ場合もあり、bvFTD の診断基準ほどはコンセンサスが得られていない。指定難病の診断基準でも、失語の特徴については 2011年に提唱された Gorno-Tempini の semantic variant に関する診断基準を取り入れるとともに、進行性失語の有無にこだわることなく、特徴的な意味記憶障害を根拠に診断する Neary らにより従来通りの診断基準を軸とする形となっている。ここでは指定難病における診断基準を示す(表2)+Gorno-Tempini らによる基準では、まず進行性失語である事を診断し、次に失語の頭頂から意味型、非流暢性/失文法型、ロゴペニック型のサブタイプに分類する(失語症から見た分類は CQ2-6 を参照)。SD は意味型の失語を呈する。しかし、右側頭葉優位の萎縮を呈する SD では、初期には語義失語以外の意味障害(後述の有名構造物や相貌に関する意味記憶障害)が目立つ例や、行動障害が目立つ場合もあり、bvFTD の診断基準ほどはコンセンサスが得られていない。指定難病の診断基準でも、失語の特徴については 2011年に提唱された Gorno-Tempini の semantic variant に関する診断基準を取り入れるとともに、進行性失語の有無にこだわることなく、特徴的な意味記憶障害を根拠に診断する Neary らにより従来通りの診断基準を軸とする形となっている。ここでは指定難病における診断基準を示す(表2)
  
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 +SD で認める失語では、物品呼称の障害と単語理解の障害の 2つを中核症状とし、対象物に対する知識の障害や表層性失語・失書を認める一方で、複勝は保たれ、流暢性の発語を呈し、発話(文法や自発語)も保たれる。また視空間認知や計算をはじめとする頭頂葉領域の機能は良く保たれる
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 +SD における物品呼称や単語理解の障害には一貫性が見られ、異なる検査場面や日常生活でも同じ物品、単語に障害を示す。対象物に対する知識障害の例としては、富士山や金閣寺の写真を見せても、山や寺ということは理解出来ても特定の山や寺とは認識出来ない。信号機を提示しても「信号機」と呼称ができず「見たことない」、「青いでんきがついている」などと答えたりする。特に低頻度/定親密性のもので顕著である。健忘失語と違い、正しい名称を与えても、それを即座に再認することができない
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 +流暢性失語は、複数の読み方ができる漢字において、特に本来の漢字の読みとはことなる熟字訓において観察される(団子を「だんし」、三日月を「さんかづき」と読むなど)
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 +既知の人物の相貌の同定が出来なくなる障害、対象物の視覚的な理解や聴覚的な理解など複数のモダリティに及ぶ認知障害を認める事があり、有名人や友人、たまにしか合わない親戚の顔を認識出来ず、それらを見ても「何も思い出せない」、「知らない」と言ったりする。声を聴いたり、触れたりするなどによっても同定が進まない点は、通常の失認とは異なる
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 +SD に特徴的な失語である事を判別した後、画像検査、他の臨床所見などにより Alzheimer 型認知症をはじめとする他疾患を慎重に鑑別し、SD と診断する。指定難病申請時には、難病情報センターの診断基準を十分参照することが望まれる
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 +3. PNFA で認める失語の特徴
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 +PNFA に特徴的な非流暢性/失文法型に関する Gerno-Tempini らによる診断基準を示す(表3)。前述したようにこの基準では、まず進行性失語症である事を診断する。この失語では、発話における失文法と、不規則な音韻の誤りや歪み(日本語にないような発音)を特徴とする発語失行が特徴的であり、いずれか 1つ以上を認める。単語レベルの理解は保たれるが、文法的に複雑な文の理解は障害される。努力性の発語で、発語の開始困難を伴い、発話中にしばしば途切れる。言語の誤りに一貫性を欠く(例略)
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