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1976年以降、小阪が大脳皮質に広範な Lewy 小体の出現と進行性認知症を特徴とする一連の症例を報告し、びまん性 Lewy 小体病を提唱した。神経病理診断では、認知症疾患の 20% 前後とされ、Alzheimer 型認知症に注いで多い変性性認知症疾患である。しかし厚生労働省の班研究によれば、DLB および認知症を伴う Parkinson 病 Parkinson' | 1976年以降、小阪が大脳皮質に広範な Lewy 小体の出現と進行性認知症を特徴とする一連の症例を報告し、びまん性 Lewy 小体病を提唱した。神経病理診断では、認知症疾患の 20% 前後とされ、Alzheimer 型認知症に注いで多い変性性認知症疾患である。しかし厚生労働省の班研究によれば、DLB および認知症を伴う Parkinson 病 Parkinson' | ||
+ | 1995年第一回国際ワークショップで、Lewy 小体型認知症(DLB)の名称と臨床診断基準が提唱された。第三回ワークショップで診断基準が改定され、変動する認知障害、パーキンソニズム、繰り返す具体的な幻視の中核的特徴に加えて、示唆的特徴として、レム期睡眠行動異常症、顕著な抗精神病薬に対する過敏性、SPECT あるいは PET イメージングによって示される大脳基底核でのドパミントランスポーターの取り込み低下があげられた(表1)。中核的特徴の 2つが該当すれば probable DLB(ほぼ確実)と診断するほか、中核的特徴が 1つしか該当しない場合でも、示唆的特徴が 1つ以上該当すれば probable DLB と診断する。また中核的特徴を認めない場合、示唆的特徴が 1つ以上該当すれば probable DLB(疑い)とする。しかしながら、3つの中核的特徴にレム期睡眠行動異常症 REM sleep behavior disorder(BRD)を加えた 4症状のうち 2つ以上満たした場合の正診率は、感度 88%、特異度 73% で、特異度の向上の必要性を指摘する報告がある。また2013年に発行された DSM-5 では Lewy 小体病を伴う認知症 major neurocognitive disorder with lewy bodies と Lewy 小体病を伴う軽度認知障害 mild neurocognitive disorder with Lewy bodies の診断基準が示されている(表2) | ||
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+ | DLB は病初期に記憶障害が目立たない場合が少なくないため、記憶障害以外に注意障害、遂行機能障害、視空間認知障害などの有無を検討することが重要である。また認知障害のほかにも多様な臨床症状を呈しうる。これらの臨床症状に注目することは DLB の早期診断の手がかりとして重要である。レム睡眠行動異常症は前駆段階から、しばしばみられる。このほか Alzheimer' | ||
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+ | なお2017年6月に新たな DLB 診断基準が発表だれた(表3)。この診断基準では、2つ以上の中核的臨床的特徴が存在するか、1つの中核的臨床的特徴が存在し、1つ以上の指標的バイオマーカーが存在する場合 probable DLB と診断される。2005年の DLB 診断基準において RBD は示唆的特徴とされていたが、今回の診断基準では新たに中核的特徴として新たに位置づけられている。 | ||
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