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dementia:mci_diagnose [2023/07/24] – 作成 nonbe | dementia:mci_diagnose [2023/07/31] (現在) – nonbe | ||
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+ | 軽度認知障害という状態が認知症の前段階では無いかとする報告は Flicker らによって報告されたことが最初であるが、多数の被検者でその概念を確立したのは Petersen である。診断基準は 1995年の段階で操作的に定義されており、それ以降は研究や書籍によって若干の追加、修正がなされることはあってもその本質は不変である。軽度認知障害の小分類として、記憶障害を主体とする健忘型軽度認知障害とそれ以外の遂行、注意、言語、視空間認知といった部分の機能障害を規定する非健忘型軽度認知障害が定義されている。軽度認知障害はあくまでも症状での死んだんであり、その病理学的背景はさまざまであることに留意すべきである。また、Alzheimer 病では軽度認知障害の状態は認知症という最終段階に至るまでの一段階に過ぎないため、認知症の状態と厳密に区別することは困難な可能性がある | ||
+ | 1. Petersen の基準(図1) | ||
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+ | 記憶障害を中心とする概念で構成され、記憶障害の訴えがあり年齢・教育年数を制御した記憶テストの得点が低い者の認知症で無い状態を指した。細かい基準は以下に従う | ||
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+ | * 以前と比較して認知機能の低下がある。これは本人、情報提供者、熟練した臨床医のいずれかによって指摘されうる | ||
+ | * 記憶、遂行、注意、言語、視空間認知のうちひとつ以上の認知機能領域における障害がある | ||
+ | * 日常生活動作は自立している。昔より時間をよしたり、非効率的であったり、間違いが多くなったりする場合もある | ||
+ | * 認知症でない | ||
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+ | 2. DSM=5 の診断基準 | ||
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+ | 2013年に出版された DSM-5 では認知症が major neurocognitive disorder とされ、軽度認知障害は mild neurocognitive disorder とされた。また、Alzheimer 病、Lewy 小体病、前頭側頭葉変性症などの認知病性疾患においても軽度認知障害(DSM-5)の基準を満たした場合には「Alzheimer 病による軽度認知障害(DSM-5)」のような診断が可能となった。DSM-5 での軽度認知障害(DSM-5)の診断基準としては、1つ以上の認知ドメインにおいてわずかな定価が認められることが認知機能テストおよび信頼のおける情報提供者からも確認出来るが、日常生活を阻害しないという点においては他の基準と大きく変わらない。一方で、神経心理バッテリーの結果としては、認知機能の低下は -1 〜 2 SD 程度とされる点が後述する NIA-AA 基準と若干異なる点となっている | ||
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+ | 3. ICD-10 の診断基準(表1) | ||
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+ | ICD-10 では軽度認知障害に相当する概念として MCD が採用されている | ||
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+ | 4. Clinical Dementia Rating(CDR)0.5 | ||
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+ | CDR によって評価されるのは、記憶、見当識、判断力と問題解決力、地域社会活動、家庭と趣味、身の回りの世話を 0、0.5、1、2、3 の 5段階に評価し、それぞれに重み付けをした後に総合スコアを判定する。軽度認知障害に相当するのは総合スコア 0.5 となる | ||
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+ | 5. National Institute on Aging-Alzheimer' | ||
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+ | Alzheimer 病による軽度認知障害の診断基準として 2011年に発表された。ここに示す臨床診断基準に加えてバイオマーカーによる基準が示されている。ただし、これはあくまでも Alzheimer 病による軽度認知障害の診断基準であるところに留意されたい。神経心理バッテリーを用いた認知機能低下の程度については、年齢と教育歴をマッチさせた中で -1 〜 1.5 SD 程度とされる点が DSM-5 と若干異なる | ||
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+ | 6. International Working Group-2 基準(表3) | ||
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+ | 2014年 に発表された Alzheimer 病の診断基準では、さおれまで " | ||
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