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dementia:survey [2024/06/24] – 作成 nonbedementia:survey [2024/07/08] (現在) nonbe
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-<color #a22041>{{fa>fas fa-question?24}} Lewy 小体型認知症 dementia With Lewy bodies(DLB)と認知症を伴う Parkinson 病 Parkinson's disease with dementia(PDD)臨床病理学的異同は何か</color>+<color #a22041>{{fa>fas fa-question?24}} Lewy 小体型認知症 dementia With Lewy bodies(DLB)の検査画像所見の特徴は何か</color>
  
-<color #223a70>{{fa>far fa-clipboard?24}} ① Lewy 小体病 Lewy body diseaseLBD)は Lewy 小体を病理学的特徴とするすべての病態を包括する疾患概念である ② DLB と PDD の間に本質な違いがあという証拠は無いDLB と PDD は LBD という 1つ疾患スペクトラムで捉えることできる ③ 研究などで用いられる操作的な基準として、認知症がパーキンソニズムに先行した場合 DLB、パーキンソニズムが認知症に 1年以上穿孔した場合 PDD とする指摘もある</color>+<color #223a70>{{fa>far fa-clipboard?24}} DLB では ドパミントランスポーターシンチグラフィ、metaiodobenzylguanidineMIBG)心筋シンチグラフィでの取り込み低下が特徴で木である。CT/MRI では内側側頭葉が比較保たれる。また脳血流 SPCT/FDG-PET で後頭葉血流・脳代謝の低下られる</color>
  
-<color #c53d43>{{fa>fas fa-check?24}} </color> +<color #c53d43>{{fa>fas fa-check?24}} 1A </color> 
  
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-1. DLB と PDD の用上の問題+DLB では I-MIBG 心筋シンチグラフィやドパミントランスポーターシンチグラフィ(イオフルパン SPECT)にて取り込み低下が見られる。前者は 2012年3月 厚生労働省医療課長通知により、PD または DLB の診断のための使用を保険審査上認められ、後者は 2014年より DLB 診断のための保険適用検査なっている。とりわけ I-MIBG 心筋シンチグラフィでは他変性疾患に伴うパーキンソニズムを呈する疾患(多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症など)との鑑別に有であり、ドパミントランスポーターシンチグラフィは Alzheimer 病との鑑別において有用性が高い。I-MIBG 心筋シンチグラフィとドパミントランスポーターシンチグラフィを組み合わせると、DLB と Alzheimer 型認知症は感度 96.1%、特異度 90.7% で鑑別出来るという報告もある。また、臨床重要となる DLB と非 DLB 型認知症鑑別診断脳については、I-MIBG 心筋シンチグラフィで感度 93%、特異度 100%、陽性的中立 100%、陰性的中立 98%、ドパミントランスポーターシンチグラフィで感度 90%、特異度 76%、陽性的中立 49%、陰性的中立 97% とされている
  
-DLB は α ヌクレインを主要構成成分とする Lewy 小体の出現を神経病理学的特徴とする認知症を指す用語として、1995年第1回 DLB 国際ワークショップで提案された。一方、Parkinson 病(PD)としての経過後認知症を発症した場合、「認知症を伴う Parkinson 病(PDD)」と呼ばれてきた。国際ワークショップでは、パーキンソニズムが認知症発症の 1年上前から存在する場合を PDD とし、認知症発症がパーキンソニズム発症前、あるいはパーキンソニズム発症後 1年以内であれば DLB とした(1年ルール)。この 1年ルールはその後第3回ワークショップおいても存続してい。ただしこのルールは研究などで用いられる操作的な基準にすぎない+ドパミントランスポーターシンチグラフィ診断に応用するには、以注意す
  
-2. DLB と PDD 異同+① DLB とパーキンソニズム(進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症など)との鑑別は、両者共にシナプス前障害を有するために鑑別は困難である
  
-DLB のパーキンソニズム、PDD と比較して安静時振戦や左右差が少ない、処理速度、視空間認知機能、遂行機能、注意機能などの認知機能障害は DLB のほうより大きい病理学的に、DLB のほうが Alzheimer 病理の併存が多く、また PDD の黒質の神経細胞脱落は DLB より高度なことなどが報告されている。しかしながら、両者の間に質的な差があるという証拠は無い+② 血管性パーキンソン症候群で正常から軽脱落薬剤性パーキンソン症候群で正常を示すが、服用している薬剤を知っておく必要がある
  
-2006年に開かれた PDD と DLB と境界に関するカンファレスでは「DLB とPDD 臨床症状と経過違いから両者区別するとは正当化されるが、両者は α シヌクレイン封入体という共通の病変ることから、病因研究のためには単一の LBD モデルがより有えられる」と結論している。なお PDD 診断基準も提唱されている(表 1、2)。中核的特徴として Parkinson 病と Parkinson 病の経過中出現し進行する認知障害があげられ、アパシー、抑う気分あるいは不安感、複雑で構築された幻視、被害妄想、不貞妄想るいは幻の同居人どの妄想、過度の日中の眠気は PDD に関連する臨床的特徴にあげられて+③ 三環系抗うつ剤や選択的セロトニン再取り込み阻害薬 selective serotonn reuptake inhibitor(SSIR)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 serotonin-norepinephrine reuptake inhibitor(SNRI)、そ他(コイン、アンフェタミン、リタリン、モディオダールなど覚醒作用ある薬剤)などはドパミントランスポーターやセロトニントランスポータへ作用機序する薬剤の相互作用はイメージグ結果に影響及ぼすため、休薬や代替薬使慮すべきである。コリンエステラーゼ阻害薬、レボドパや MAOB 阻害薬抗 Parkinson 病につい検査結果にまり影響しない
  
-{{ :dementia:7-2_1.png?600 |}}+④ 妊婦や脳イメージングに不同意の者、コカインなどの興奮性物質に対する過敏性がある者は全面的禁忌である。イオフルパンが母乳に排出されるかは明確では無いが、授乳は相対的に禁忌である
  
-{{ :dementia:7-2_2.png?600 |}}+⑤ 肝機能障害、アルコール過敏、排尿障害、アレルギー体質の患者には同意を得た上で慎重に投与する
  
-α シヌクレインを主要成分とする Lewy 小体が、脳の神経細胞内や自律神経領域多発する。分布によっ、びまん型新皮質型、辺縁型、型、脳幹部にはほとんど見らない大脳型に分類される。多くで Alzheimer 病変合併、そ度により Alzheimer 型通常型Alzheimer 病変が見られ純粋型に分類される。病変の広がり延髄から扁桃核か皮質あるいは脳幹へ進展大脳皮質ら脳幹方向への下くつか進展形式あるような病理の多様性が LBD 表現型スペクトラムがりたらす考えらている+頭部 MRI では海馬、海馬傍回は比較的保たれるが、脳幹部萎縮つい脳容積計測 Voxel-Based Specific Regional Analysis System for Alzheimer's DiseaseVSRADなどの統計解析で診断できる場合もある。血流シンチグラフィでは Alzheimer 認知症でも DLB でも後頭葉後頭帯状回、楔前の血流低下がみられ、両者の鑑別はしばしば困難であるが、Alzheimer 型認知症では海馬の血流が低下するの対して DLB で比較的保た、DLB では Alzheimer 認知症比較して一次視覚野の血流、代謝の低下が早期から見らることも特徴である。25例の probable DLB 患者を対象とし脳血流シンチグラフィ解析は 68% に後頭葉血流低下きたたとする報告がある。脳血流シンチグラフィで DLB 診断が難しい場合は MIBG 心筋シンチグラフィと組み合わせると診断制がますことも報告されている 
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 +以上のことから、DLB おいては MIBG 心筋シンチグラフィドパミントランスポーターシンチグラフィMRI の VSRAD、脳血流シンチグラフィ検査にてそれぞれ特徴的な以上が見られるが、単一の検査で診断が難し場合は複数の検査を組み合わせることで診断制度がますことが期待される 
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 +さらに、アミロイド PET 検査にて DLB では Alzheimer 型認知症と同様に取り込み昇がみられコリンエステラーゼ(ChE-PET)では後頭葉を中心に ChE の取り込みが低下する事が知れている 
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 +また、脊髄液のバイオマーカーでは Parkinson 病と同様に DLB で α シヌクレイン値が低いとす報告が多が、有用性現時点で確立していない。リン酸化 α シヌクレインや α シヌクレインオリゴマーが DLB の脊髄中でパーキンソン病と同様高いとする報告がある。また DLB ではコントロールに比較して脳脊髄液の Aβ42 値が低い例が報告されている 
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 +2016年12月に米国フロリダにて DLB の国際会議が開催され2017年6月に DLB の新診断基準が発表された。そのなで示唆的バイオマーカーとして 1)ドパミントランスポーターシンチグラフィによる基底核で取り込み低、2)MIGB 心筋シンチグラフィによる取り込み低下、3)睡眠ポリグラフ polysomnography(PSG)による、筋緊張低下を伴わないレム期睡眠 REM sleep without atonia(RWA)確認加えられたとくにレム期睡眠時筋緊張以上はレビー小体病理に異常に特異性が高く、レム期睡眠行動異常症 REM sleep behavior disorder(RBD)既往ある認知症患者の 90% 以上はシヌクレイノパチーである可能性、その他のバイオマーカーが陰性であって重要な徴候認定さ
  
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