{{fa>fas fa-id-card?36}} ===== 6-6 Alzheimer 型認知症の診断とアミロイド PET ===== {{fa>fas fa-question?24}} Alzheimer 型認知症の診断にアミロイド PET 検査は有用か {{fa>far fa-clipboard?24}} アミロイド PET 検査は、Alzheimer 型認知症で 98%、経度認知障害 mild cogntive Impairment(MCI)は約68&、健常高齢者の 33& で陽性である。アミロイド PET 陰性は非 Alzheimer 型認知症の鑑別に有用である。NIA-AA 基準や IWG-2 Alzheimer 病先端研究診断基準では、脳アミロイド蓄積のバイオマーカーとして必須項目となっている。臨床研究への参加には同意が必要で、一般の臨床的使用は適正使用ガイドラインに準拠すべきである。アミロイド PET 検査はわがくにでは保険適用外検査である {{fa>fas fa-check?24}} **A** ---- Alzheimer 型認知症の発症前からアミロイド β(Aβ)が蓄積することは多数の研究で示されている。生前から脳アミロイド蓄積量を推定出来るアミロイド PET 検査は臨床研究において必須であり、NIA-AA 基準や IWG-2 AD 先端研究の診断基準では必須項目の 1つとなっている。しかし、アミロイド蓄積は 50歳で10.4%、90歳で 43.8% の健常高齢者で認められる。Lewy 小体型認知症など Alzheimer 型認知症以外の認知症疾患でも認められる。したがって、アミロイド PET は Alzheimer 型認知症と非 Alzheimer 型認知症の鑑別で有用であるが、臨床診断にアミロイド PET を用いる際には、患者選択や結果の解釈に注意があ必要とされている。さらに、同意、開示、カウンセリング、教育、心理サポートの必要性も強調されている 米国核医学会と国際 Alzheimer 協会は合同で、アミロイド PET を診療に用いる上での世界初の適正使用の基準を 2013年に作成した。アミロイド PET の使用に求められることとして、① 認知症の専門家が患者を評価して客観的な認知障害を認めること、② 専門家がすべての利用可能な臨床所見、検査所見を検討して、障害の原因が不明であり、Alzheimer 型認知症やその前駆症状で説明が可能なこと、③ そして脳アミロイドの有無が診断の確定に役立ち、治療計画やケアを変化させると専門家が結論付けることとしている。また、実際の適用例と不適用例を挙げている(表1)。さらに追加の論文で ① 認知症専門家の定義と、専門家が患者のアミロイド PET の必要性について書類を作成すること、② アミロイド PET が必要な軽度認知障害群は限られていること、③ アミロイド PET 適正使用のための教育プログラムを開発することについて述べられている イタリア共同ワーキンググループのアミロイドイメージングの臨床使用勧告では、原因不明の客観的な認知機能障害を持ち、結果が診断の正確性と治療に役立つ患者のみを対象とするように定めている。わが国では 2015年4月に定められた日本核医学会、日本認知症学会、日本神経学会の合同ワーキンググループのアミロイド PET イメージング剤合成装置の適正使用ガイドラインに準拠すべきである(表2)。これによると適切な使用例は ① 臨床症状が非定型的であり、適切な治療のために確定診断を要する認知症症例と、2 発症年齢が非定型的(65歳未満の発症)のため、適切な治療のために確定診断を要する認知症症例とされ、経度認知障害は推奨されないとされた {{:dementia:20240422063726.png?600|}} {{:dementia:20240422063749.png?600|}} ---- {{fa>fas fa-sign-out?24}} [[https://www.neurology-jp.org/guidelinem/nintisyo_2017.html|認知症疾患診療ガイドライン]] {{fa>mail-reply?16}} [[dementia:alzheimer|Alzheimer型認知症]]