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===== 2-4 認知症の評価 =====
{{fa>fas fa-question?24}} [[dementia:bpsd|認知症の行動・心理症状]] behavioral and psyochological symptoms of demantia(BPSD)、日常生活動作 activities of daily living([[nipponica:adl|ADL]])、全般的重症度を評価する際に有用な評価尺度と実施上の注意点は何か
{{fa>far fa-clipboard?24}} 推奨:
BPSD の評価尺度として Neuropsychiatric Inventory(NPI)が、ADL の評価尺度として Physical Self-Maintenance Scale(PSMS)が、全般的重症度の評価として [[https://knowledge.nurse-senka.jp/233459/|Clinical Dementia Rating]](CDR)が広く使われており、日本語版も利用可能である。
{{fa>fas fa-check?24}} **2C**
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BPSD、ADL、全般的重症度は、いろいろな状況での認知症者の行動を他者が観察することにより評価される。このような行動観察法は観察者の技量や状態に影響されることがああるため、介護者を含めた環境を考慮して適切な評価法を選択して用いる(表1)
{{fa>ffas fa-map-marker?24}} BPSD の評価
認知症者でよく認められる行動異常や精神症状は、認知症者の行動を良く知る介護者への半構造化面接に基づいて評価される。
{{fa>fas fa-map-pin?16}} NPI は、10項目の精神症状(妄想、幻覚、興奮、うつ、不安、多幸、無関心、脱抑制、易怒性、異常行動)の有無、頻度、重症度を評価するもので、最近では夜間行動、食行動の 2項目を追加した 12項目版が良く使われている。国際的に良く使われており、わが国でも市販されている。
NPI には、質問紙によるアンケート版(NPI-Q)、介護施設用(NPI-NH)もある。
{{fa>fas fa-map-pin?16}} Bhevioral Pthology in Alzheimer's Disease(Behave-AD)では、25項目について重症度を 4段階で評価し、総得点を求める
{{fa>fas fa-map-pin?16}} Cohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)は、29項目の agitated behavior の出現頻度を 7段階で評価するもので、Behave-AD の攻撃性と行動障害に相当する
{{fa>fas fa-map-pin?16}} 常同行動の指標としてわが国で作られた Stereotypy Rating Inventory(SRI)は、特に前頭側頭様変性症 frontotempolral lobar degeneration(FTLD)で用いられる
{{fa>ffas fa-map-marker?24}} ADL の評価
認知症では生活障害があり、その中心となるのが ADL の低下である
{{fa>fas fa-map-pin?16}} PSMS は基本的 ADL 6項目(排泄、食事、着脱衣、整容、移動能力、入浴)、Instrumental Acivities of Daily Living Scale([[nipponica:adl|IADL]])は、道具使用の ADL 8項目(電話、買い物、食事の支度、家事、洗濯、移動・外出、服薬管理、金銭管理)を介護者が評価するもので、国際的に広く使われており、日本語版も利用可能である。
{{fa>fas fa-map-pin?16}} 中等度~重度認知症の評価に適するものとして Alzheimer's Disease Cooperative Study Activities of daily living inventory(ADCS-ADL)より 19項目を選択した ADL-sever が使われている
{{fa>fas fa-map-pin?16}} わが国で作られたものとして [[https://www.miolaw.jp/elder/pdf/n_shiki.pdf|N式老年者用精神状態評価尺度]](N-ADL)がある
{{fa>fas fa-map-pin?16}} 在宅の アルツハイマー型認知症を対象とした Disability Assessment for Demantia(DAD)も日本語版が利用されている
{{fa>ffas fa-map-marker?24}} 全般的重症度の評価
{{fa>fas fa-map-pin?16}} [[https://knowledge.nurse-senka.jp/233459/|CDR]]は、記憶、見当識、判断力と問題解決、地域生活、家庭生活、介護状況の 6項目に関して、介護者への半楮か面接に基づいて判定する評価法で、国際的に広く使われている
各項目の障害を評価し、全体として 0:健常、0.5:認知症の疑い、1:軽度認知症、2:中等度認知症、3:重度認知症 の 5段階に分けられる。CDR 0.5 を便宜的に軽度認知障害(MCI)とする場合もある。
介護者からの情報が十分得られない場合や、評価者の訓練が十分でない場合には、評価者の一致度が十分でないことがあり、注意が必要である。
CDR をもとに、患者に対するう簡単な認知機能検査を参考にする方法、6項目の総得点を用いる方法、改訂短縮版も提供されている。
{{fa>fas fa-map-pin?16}} わが国で開発された [[https://www.miolaw.jp/elder/pdf/n_shiki.pdf|N式老年者用精神状態評価尺度]] は、記銘・記憶、見当識、関心・意欲交流、会話、家事・身辺整理の 5項目について観察に基づいて、各10段階で評価するものである。
{{fa>fas fa-map-pin?16}} 薬効評価に用いられることのある Clinician's Interview-Based Impression of Change plus Caregiver Input(CIBIC-plus)は、2時点の変化を見るもので、問診をもとに全般的臨床症状の変化を、大幅な改善(1点)~大幅な悪化(7点)の 7段階で評価する。下位の症状領域として、認知機能、ADL、その他の精神症状の 3群を設定し、日本語版では Mental Function Impairment Scale(MENFIS)、DAD、Behave-AD で評価する。
{{:dementia:20220924101328.png?800|}}
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{{fa>fas fa-sign-out?24}} [[https://www.neurology-jp.org/guidelinem/nintisyo_2017.html|認知症疾患診療ガイドライン]]
{{fa>mail-reply?16}} [[diagnosis|症候、評価尺度、診断、検査]]