4A-6 喫煙

喫煙は認知症を憎悪させるか

喫煙は血管性認知症、Alzheimer 型認知症などを含めた認知症を憎悪させる

1B


37 の大規模試験の結果、喫煙は認知症(risk ratio(RR)1.30)、血管性認知症(RR 1.38)、Alzheimer が認知症(RR 1.40)を悪化させる。現在喫煙している APOE4 非保有者では Alzheimer 型認知症の危険度が有意に高くなる。65〜75歳で喫煙している人は、喫煙しない人と比べてすべての認知症と Alzheimer がた認知症の危険度が高くなる

毎日 20本の喫煙はすべての認知量のリスク(RR 1.34)を上昇させる。喫煙経験のある人は喫煙経験の無い人に比べ、すべての認知症(RR 1.13)、血管性認知症(RR 1.25)の危険度が高くなる。一方、以前喫煙したが、現在禁煙中の人は全ての認知症においてリスク上昇は見られなかった

60歳以上の認知症のない人 1,436人を対象とした 10年間のコホート研究では、喫煙経験者は喫煙経験に比し認知機能低下が少ないなど、かつては喫煙が認知症リスクを低下させるという報告もあったが、近年の大規模試験では喫煙はすべての認知症の危険因子という報告が多い

全世界の喫煙率は 27.4% で、喫煙による Alzheimer 型認知症のリスク上昇は RR 1.59、PAR(population attributable risk)は 13.9%、全世界の Alzheimer 型認知症患者の約 14% が喫煙によるものという報告もある


認知症疾患診療ガイドライン

経過と治療