社会保障制度は、国民の「安心」や生活の「安定」を支えるセーフティネット

セーフティネットという定義は、この場合は広義のものであり、また国が国民の権利として保障するものだと考えられる。狭義のものは『雇用保険生活保護などといった、職を失ったり働けなくなったりするなど何かあっても生活が保障されるための諸制度のことを指す。(現代用語の基礎知識 2024)』だと考えられている。

社会保障制度全体は、その時々の社会情勢に伴い良くも悪くもなる。財政的な支出が伴うものであり、財政当局のスタンスによって伸長することも抑制されることもあるのが現実。安心や安定が政治・行政によって脅かされることも有り得る。

現在の社会保障の基本的な考え方は、自助共助公助の最適な組み合わせを目指し、従前の高齢者中心であった制度を、子育て世代のためにも充実した「全世代型」の社会保障を目指すとしていると・・・

社会保障制度は、制度利用を必要とする人がいて、制度を運営する人がいる。両者のコミュニケーションとフィードバックが十分に行われなければ、どんなに制度を変えたとしても良い結果は得られない。

まずはじめに「自助」ありきのスタンスが、今の制度の本態であり、「共助」は望めず「公助」は抑制というのが現実でありましょう。

全世代型」と称しながらも、子どもが生まれるために必要な「安心」「安定」した生活を「全世代」が営めるような施策を行おうとはしていない(憲法違反に値するのでは)。制度設計が間違っていれば、どのような綺麗事、建前を示したところで実効性は低いものになってしまう。


引用/参考: 医療福祉ガイドブック(医学書院)

社会保障制度