plasticity

一般に成体が外からの何らかの信号に対応し、正常状態を保持するのに示される変化的な性質。

脳・神経科学においては、中枢、及び末梢神経を構成する神経回路において、なんらかの原因によりシナプス部での伝達効率に変化が起こる性質。

伝達効率が上昇する現象を増強(シナプス増強:synaptic potentiation)、逆に減衰する現象を抑圧(シナプス抑圧:synaptic depression)という。また、その持続時間の違いから短期的可塑性と長期的可塑性に分けることがある。

両者を分ける明確な時間は定量的には決まっていないが、一般的には秒から数分の範囲で持続するものは短期的可塑性(short-term plasticity)、数十分から時間、日の範囲では長期的可可塑性(long-term plasticity)とされる。

そのメカニズムとして、シナプス全部、または後部での機能的、あるいは構造的な変化が知られている。

個体が環境や経験に依存して、行動や刺激に対する反応を変化競るための基礎的な家庭として、神経系の示す重要な性質のひとつである。学習、記憶もこの性質の延長上に位置づけられている。

表現型可塑性)

岩波 生物学事典 第五版 ©Yoh Iwasa・Shigeru Kuratani・Naruya Saitou・Hirokazu Tsukaya / Iwanami Shoten, Publishers

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