neurone, neuron

≪同≫ 神経単位。

細胞体とそれから出る突起とを合わせた神経系の構造的および機能的単位。

W.Waldeyer(1881)の命名。

単に神経細胞というべきだが、ニューロンが単一の細胞であることがわからなかった当時の用語のなごり。

細胞体は核と園周囲の細胞質とからなり、また突起には短い樹状突起(dondrite)と長い軸索(軸索突起:axon)の 2種類がある。神経線維は後者によりつくられる。

正常な興奮の伝導は樹状突起・細胞体から軸索に向かって起こり、シナプスを経て伝達され、次のニューロンの樹状突起・細胞体または効果器に興奮が伝えられる。

このようにニューロンはシナプスによって他のニューロンと機能的連絡を持ち(シナプス結合)、神経系としての機能を発揮する。

軸索の末端は多数に細かく分岐し、次のニューロンの樹状突起に終わる。あるものはさらに細かい分岐をなして細胞体を囲み、その先端は膨らみを持つことなどで他と形態を異にし(哺乳類では 0.5μm ほどの大きさ)、終末ボタン(terminal button)となり、細胞膜に密着する。

このようにして樹状突起及び細胞体状にはいくつかの軸索から来た無数(大きい細胞体では数千個に達する)のボタンが付着する( シナプス)。

中枢神経系は極めて多数のニューロンがそれぞれ独立の阻止として連なり合ってできており、各ニューロン内部には部分的な機能の分化がある、と言う考えは S.Ramo^n y Cajal らが提出し、ニューロン説と呼ばれた。


岩波 生物学事典 第五版 ©Yoh Iwasa・Shigeru Kuratani・Naruya Saitou・Hirokazu Tsukaya / Iwanami Shoten, Publishers

ヘッブの法則