ゾウが実演で絵を描いていた。さらに画集まである。

色を付けた筆は人が準備、キャンバスに描くのはゾウ。

ゾウに絵心、創造性が無いとは言えないと思う。当然、ヒトと同じように、人(飼育員等)がゾウに絵を描くことを教えることで絵を描くようになったと考えられる。


『ゆめ花画集』の奥付からわかること

発行者は施設事業者

写真著作権者は撮影者

著作権者はなし

動物のゾウには著作権が認められないとされる

原画を撮影して写真には創造性がないため、二次著作権が認められない


著作権法第二条の、著作物及び著作者の定義

一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

二 著作者 著作物を創作する者をいう。


著作物とは「思想又は感情を表現したもの」という定義が鍵となる


著作権の要件は、「思想又は感情を創作的に表現」したものと、「著作物を創作する者」が人間であることになる

動物であるゾウは、常識的には人間社会において直接関与することはできない

著作権法の内容、意味を理解出来ない

「思想または感情を創作的に表現」することがゾウには無いと断言出来ない

人間が調教できるということは、人間の心と通じ合う、同じ心が動物にあると考えるのが自然

調教された動物が、人間が教えることで、動物自身の創意で絵を描くようになった絵の著作権

調教した人間か、調教者が所属する組織に帰属すると考えるのが自然

ゾウが絵を創作的に描いたと考えられるなら、人間ではない動物が描いたことになり、パブリックドメイン(公有の著作物)となるのではないか

ゾウやチンパンジーの絵に認められる? 感情性と創作性

ゾウが自らの創意で絵が描けるなら、サル、チンパンジー、ボノボ、ゴリラなどが描いた絵があるはずと調べた

京都大学霊長類研究所「チンパンジー・アイ」というサイトには、数枚の色鮮やかな絵が展示されていた。これらはチンパンジーが描いた絵だった

これらの絵は、抽象画と言って良いものがあった

チンパンジーは、人が絵を描く手本を見せれば、同じように真似て、自分の創意で絵を描けるらしい。人間とのコミュニケーションもできるので、絵を描くことを覚えて、自らの遊びとしてお絵かきをすると考えられる

サイトには『愛知県犬山市にある京都大学霊長類研究所では、現在、アイなどの男女12人のチンパンジーが勉強している』となっており、チンパンジーを人間扱いして記されていた

チンパンジーが描いた絵の著作権について、直接それに言及したところは見つからなかった。法的に言えば、明らかに動物が描いたものなので、どのような芸術性があり独創的ではあっても、チンパンジーの著作権にはならない

サイトで展示されたチンパンジーの絵の著作権は、京都大学霊長類研究所に帰属すると明記されている

著作権が京都大学霊長類研究所にあるかどうか疑問である

抽象画を描く傾向が強いチンパンジー

チンパンジーが描いた絵を比較できるブログがあり、それを見ると一頭一頭の絵にはそれぞれ個性があることがわかる

京大霊長類研究所とブログに登場するチンパンジーの絵には共通性が見られ、ほぼ抽象画に属すると見られるものばかり

どんなに創作的な絵を描いても、動物は著作権者にはなれない

チンパンジーの絵画オークション

コンゴというチンパンジーが、2〜4歳ごろに描いたおよそ400枚の絵のうちで、オークションにかけられたものがある

ウィキメディアコモンズに400枚のうち数点がアップされている。これらの絵画のクレジットにはすべてがパブリック・ドメイン(公有著作物)と表示されている

このファイルは、著作権発生の資格がある人間による著作でなく、他の動物の著作であるため、パブリックドメインに属しますとなっている


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