6-3 Alzheimer 型認知症の画像所見
Alzheimer 型認知症の画像所見の特徴は何か
Alzheimer 型認知症の画像所見の特徴は、① CT-MRI 検査での内側側頭葉、特に海馬の萎縮、② SPCT、FDG-PET における両側頭葉・頭頂葉および帯状回後部の血流や糖代謝の低下、③ アミロイドPET における前頭葉、後部帯状回、楔前部のアミロイド蓄積が認められる
A
CT、MRI、SPECT、PET の画像検査による Alzheimer 型認知症の診断制度を検討した 20 研究で、病理診断された Alzheimer 型認知症と健常者および非 Alzheimer 型認知症の鑑別は、感度 86.8%(95%CI 81.9〜91.7%)、特異度 78.7%(95%CI 70.3〜87.1%)であった。MRI を用いた 12 研究で側頭葉内側の萎縮による Alzheimer 型認知症と健常者の鑑別は、感度は 85%、特異度 88% であった。また、海馬萎縮は、Braak stage および MMSE と創刊誌、APOE ε4 キャリアと関連した。脳血流 SPCT による 775 研究のうち 49 研究のメタ解析において、Tc-HMPAO SPECT は Alzheimer 型認知症対前頭側頭型認知症で、感度 79.7%、特異度 79.9%、Alzheimer 型認知症対血管性認知症で感度74.5%、特異度 72.4%、Alzheimer 型認知症対 Lewy 小体型認知症で感度 70.2%、特異度 76.2%、Alzheimer 型認知症対健常者で感度 76.1%、特異度 85.4% で鑑別した。FDG-PET による Alzheimer型認知症の診断制度に関する 119 研究で Alzheimer 型認知症と健常者の鑑別は、感度 90%(95%CI 84〜94%)、特異度 89%(95%CI 81〜94%)であり、Alzheimer 型認知症と非 Alzheimer 型認知症(経度認知障害を含む)の鑑別は、感度 92%(95%CI 84〜96%)、特異度 78(95%CI 69〜89%)であった。Dominantly Inherited Alzheimer Network(DIAN)研究において、PIB-PET によるアミロイドの蓄積は発症の 15年前から認められることが報告されている。Alzheimer 型認知症及び非 Alzheimer 認知症のアミロイド PET による陽性率のメタ解析では、Alzheimer 型認知症 88%(95%CI 85〜90%)、Lewy 小体型認知症 51%(95%CI 33〜69%)、血管性認知症 30%(95%CI 21〜42%)、前頭側頭型認知症 12%(95%CI 8〜18%)であった。アミロイド PET による Alzheimer 型認知症に進行する経度認知障害の診断予測は、感度 94.7%(95%CI 89.8〜97.7%)、特異度 57.2%(95%CI 50.1〜64.2%)であり、長期経過観察と感度と特異度が増加した
アミロイド PET の適正使用に関しては (CQ) 6-6 を参照
アミロイド PET と FDG-PET はわが国では保険適用外検査である