軽度認知障害 mild cogunitive impairment(MCI)者に対する指導・支援にはどのようなものがあるか

本人並びに介護者に対して、軽度認知障害について適切な情報を提供し正しい理解を促す必要がある

情報技術 infromation technology(IT)を活用した支援機器の導入やカレンダーやノートを使用する練習、生活環境の調節などによりできるだけ長く自立した生活が続けられるよう支援する

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軽度認知障害の段階では、認知症とは異なり基本的な日常生活動作 activities of daily living(ADL)は自立しているので、日常的な介護や支援は必要としていない。しかし、心不全のように自己管理 self-care を必要とする状況では、軽度認知障害であることが予後を悪化させる可能性がある。心不全の増悪で入院した軽度認知障害者を 2群に分けて、一方に教育的介入を行った研究では、介入群で心不全に関する知識が有意に向上し自己管理も改善する傾向を示したが、再入院率には差が認められなかった

カレンダーやノートに予定や出来事を記入する記憶支援システム Memory Suport System(MSS)には、軽度認知障害者の ADL や自己効力感を改善し、介護者の負担感を軽減する効果が期待出来る。カレンダーやノートを活用する習慣を身につけておくことは、将来、認知症に進行した場合にも役立つであろう

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の危険因子は、軽度認知障害から認知症への進行を促進する危険因子となりうるので、生活習慣の改善や服薬管理などの指導を行う必要がある

軽度認知障害は、認知症に進行する可能性も正常状態に回復する可能性もある。不確実な状態であることを本人と家族に理解させた上で、将来の認知症への信仰に備えた指導を行う必要がある

(CQ)3A-1 を参照


認知症疾患診療ガイドライン

経過と治療