2. 症候、評価尺度、診断、検査
目的
- 認知症の症候、評価尺度を理解し、必要な検査を行い、認知症の診断を的確に行う
症状
- 記憶、言語、視空間認知などの認知機能の障害と、それに伴う認知症の行動・心理症状 behavioral and psychological symptoms of dementia(BPSD)からなる。
- 疾患ごとの機能低下部位を反映し、複数の認知機能に障害が認められる。
- BPSD は認知機能障害を基盤に、身体時要因、環境的要因、心理的要因などの影響を受けて出現する。
- 症状の見過ごしを防ぎ、経時的変化を見るために、種々の評価尺度が考案されている。
- 診察に加えて、患者の状況に応じた適切な評価を選択・実施することが、診断や治療効果の判定に有用である
問診
- 問診は患者本人と家族・介護者それぞれに対して行う。
- 患者本人に対する問診から、記憶、言語、思考などの認知機能、病識の程度、心理症状などを推察できる。
- 家族に対しては、具体的な症状とその経過を尋ね、日常生活で何が問題になっているのかも明らかにする。
- 患者の利き手、教育歴、職歴、趣味、家庭環境、喫煙・飲酒歴などの生活歴も含めて聞き取り、病前能力の推定、危険因子の抽出、BPSD 発現の機序の考察などに役立てる
2-1 認知症で認められる認知機能障害
2-2 認知症の行動・心理症状
2-3 認知機能障害の評価尺度
2-4 認知症の評価
2-5 認知症者の QOL 評価
2-6 原発性進行性失語
2-7 認知症者の診断と鑑別
2-8 認知症の画像検査
2-9 血液・脳髄液検査
2-10 身体的・神経学的所見
2-11 薬剤の影響
2-12 遺伝子検査