1-2 認知症や認知症様症状をきたす主な疾患・病態
認知症にはさまざまな原因疾患や病態が含まれるが、DSM-5 の下位分類では、Alzheimer 病、前頭側頭葉変性症、Lewey 小体病、血管性疾患、外傷性脳損傷、物質・医薬品の使用、HIV 感染、プリオン病、Parkinson 病、Huntington 病、他の医学的疾患、複数の病因、特定不能に分けられる。
認知症や認知症様症状をきたす疾患は数多く、これらを 表1 に示す。
ICD-10 では認知症を Alzheimer 病の認知症、血管性認知症、lほかに分類されるその他の疾患の認知症、特定不能の認知症に分類している。
DSM-5 の神経認知障害群の認知症及び軽度認知障害の病因による下位分類として、Alzheimer 病、前頭側頭葉変性症、Lewy 小体病、血管性疾患、外傷性脳損傷、物質・医薬品の使用、HIV 感染、プリオン病、Parkinson 病、Huntington 病、他の医学的疾患、複数の病因、特定不能がある。
この中で、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫などの脳外科的疾患、甲状腺機能低下症やビタミン B12 欠乏症などの内科的疾患の一部は治療可能な認知症 treataable demientia という概念で扱われることが多く、早期の診断と適切な治療や処置が求められる。