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Lewy 小体型認知症 dementia with Lew bodies(DLB)の診断基準と早期診断のポイントは何か

DLB の臨床診断では、国際ワークショップ診断基準改訂版が使用される。また Diagnostic and Statistical Mental Diortdes, Fifth Edition(DSV-5)の診断基準が示されている。病初期には記憶障害が目立たない場合があり、記憶以外の認知機能(注意、遂行機能、視空間認知など)の障害や、レム期睡眠行動異常症、パーキンソニズム、自律神経症状、嗅覚障害、うつ症状などの有無に留意することが早期診断のポイントとなる。なお、2017年6月に新たな DLB 診断基準が発表された

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1976年以降、小阪が大脳皮質に広範な Lewy 小体の出現と進行性認知症を特徴とする一連の症例を報告し、びまん性 Lewy 小体病を提唱した。神経病理診断では、認知症疾患の 20% 前後とされ、Alzheimer 型認知症に注いで多い変性性認知症疾患である。しかし厚生労働省の班研究によれば、DLB および認知症を伴う Parkinson 病 Parkinson's disease with dementia(PDD)と診断された割合は 4.3% である。Lewy 小体病 Lewy body discase(LBD)は Lewy 小体の存在を特徴とする病態のすべてを包含する疾患概念である。LBD には、Parkinson 病、PDD、自律神経症状で発症する純粋自律神経不全症 pure autonomic failure(PAF)なども含まれる。また Lewy 小体は、病理学的検討により、中枢神経系以外、心臓などの末梢交感神経節や消化管などの内臓自律神経系での存在が報告され、全身性疾患としての理解が広まっている。


認知症疾患診療ガイドライン

Lewy 小体型認知症