糖尿病、高血圧など生活習慣病をどう管理するか

糖尿病のコントロールは、認知症や身体機能障害の程度、併発疾患、フレイルなどを考慮して個別に設定するよう勧められる。認知症を合併した高血圧患者に対する降圧治療のエビデンスは少ないが、適度に降圧しないような治療を考慮すべきと考えられる

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認知症者に合併した高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病(または血管性危険因子)は認知機能障害の進行を修飾する可能性が指摘されているが、LDL コレステロールが認知機能障害の進行を加速するという報告がある。Alzheimer 型認知症に伴う血管性危険因子の適切な治療は、Mini Mental State Examination(MMSE)の悪化を緩やかにするという報告がある

認知症を発症した高齢者糖尿病の血糖管理については、日常生活動作 activities of daily living(ADL)、併発疾患、重症低血糖のリスクなどを考慮して目標値を設定する。HbAlc が 7.0% 未満で低血糖や転倒・骨折が増加し、8.0% を超えると認知機能低下、フレイル、老年症候群が増えてくいく。海外及びわが国の治療ガイドラインで、高齢者の糖尿病に於いては認知症の有無や程度に加えて、併発疾患、基本的 ADL basic ADL(BADL)や手段的 ADL instrumental ADL(IADL)の低下、フレイル、重症低血糖のリスクなどを考慮して個別に設定するよう煤メッレテイル。高齢者でも認知機能や身体機能が正常な場合は、HBOAlc を 7.0% から 7.5% 未満に、軽度から中等度の認知症では 8.0% 見万位、中等度から重度の認知症や身体機能が高度に低下した場合には 8.5% 未満を目標とするよう進められている。さらにわが国の合同委員会案では、重症低血糖が危惧される薬剤(インスリン、スルホニル尿素(SU)薬、グリニド薬など)の使用例では、低血糖を回避するため目標下限値が設定されている(表1)

認知症を合併した高血圧患者に対する降圧治療の効果に関するエビデンスは少ないが、降圧療法が軽度認知障害から Alzheimer 型認知症への進展を抑制したという観察研究があり、降圧治療は考慮すべきと考えられる。しかし、欧米からのガイドライン(2013 ESH/ESC ガイドライン:米国の 2014 Eighth Joint National Committee ガイドライン) では、フレイルや認知症高齢者で推奨されるべき血圧値の設定は記載されていない。降圧薬で治療中の高齢の認知症や軽度認知障がい者を約9ヶ月間フォローしたところ、収縮期血圧が 128 mmHG 以下の患者が、129-144 mmHg や 145 mmHg 以上の患者と蔵ベットえ MMSE の低下が有意に大きかったという報告があり、カドに降圧しないよう注意が必要である


認知症疾患診療ガイドライン

治療