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4A-5 メタボリック症候群
メタボリック症候群は認知症を憎悪させるか
メタボリック症候群とその因子(耐糖能異常、肥満、高血圧、脂質異常症)は、加齢に伴う認知機能低下や軽度認知障害及び血管性認知症と関連しているという報告は多いが、 Alzheimer 型認知症に関する意見は分かれている
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メタボリック症候群は内臓脂肪の蓄積を背景とし、危険因子(耐糖能異常、高血圧、脂質異常症、肥満)が集積し、脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患や糖尿病を引き起こす症候群である
以下はすべて観察結果の報告である
特に中年期のメタボリック症候群が認知機能低下と関連があるという報告が多い。中年期の肥満は認知症のリスクが高くなる(risk ratio(RR)1.41)、一方で 65歳以上では逆にリスクは低下する(RR 0.83)
65歳以下の成人を対象とする調査でメタボリック症候群は、記銘力障害、視空間認知障害、遂行性機能障害と関連している。メタボリック症候群について、加齢に伴う認知機能低下や軽度認知障害および血管性認知症との関連を示唆する報告は増えているが、Alzheimer 型認知症との関連は一致していない。3,555名の 25年間の縦断研究において複数のメタボリック症候群の項目を満たす患者は、認知症、特に脳血管性認知症のリスクが高まるが、Alzheimer 型認知症は増加しなかった
65〜84歳の 2,097人を対象とした 3.5年の縦断研究によると、軽度認知障害者においてメタボリック症候群の合併患者は非合併患者より有意に認知症に進行する危険性が高い
軽度認知障害の時期に、