3A-7-2 認知症非薬物療法の適応症状
認知症の非薬物療法はどのような症状に効果があるか
認知刺激などの認知機能に旗らら着かける非薬物療法や運動療法は、認知症の認知機能障害に対する効果がある。運動療法は日常生活動作 activities of daily living(ADL)の改善に、音楽療法は認知症の行動・心理症状 behavioral and psychological symptoms of dementia(BPSD)に対する効果がある可能性がある
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Alzheimera型認知症の認知機能障害に対する効果は、認知刺激などで示されている(表1)。認知刺激を用いた場合には、非介入群と比較して、Mini Mental State Examination で 1.74点(95%CI 1.13-2.36)、ADS-cog で 2.27点(95%CI 0.99-3.55)の改善があり、1~3ヶ月のフォローアップ期間中も効果が持続していたことが示されている。多面的な介入で、ADL、生活の質 quality of life(QOL)、行動や気分状態の改善が得られる事も示されている。認知刺激を用いた場合には、参加者の QOL や幸福感に対する自己評価は改善している。しかし、経費的電気刺激療法(経頭蓋、末梢)運動療法、音楽療法、回想法、ADL訓練、マッサージ、レクリエーション療法、光療法、多感覚刺激療法、支持的精神療法、バリデーション療法、鍼治療、経頭蓋磁気刺激法、筋弛緩法などは、エビデンスが乏しい。今後の質の高いエビデンス報告が待たれる。実臨床場面では、患者の個別性に合わせた介入方法の選択が重要である。
介護者に対して、心理教育など多面的な介入を行う事により、在宅患者の施設入所を遅らせ、BPSD を軽減し、介護者のアウトカムの改善に寄与する。